2011年10月23日日曜日

美術っていいとも!9

 中村君に紹介された小禄了(おろく とおる)です。
 宮古島出身で高校卒業後、すいどーばた美術学院での浪人生活を経て、沖縄県立芸術大学へ進学しました。卒業後は、特別支援学校を中心に何校か臨任を経験。鏡が丘特別支援学校の中学部に採用され、現在、真和志高校に勤務しています。

 もともと、特別支援学校で勤務することが希望で先生になりましたが、なぜか普通高校に、しかも、単位制の高校で「美術Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」以外にも「写真」「漫画・イラスト」「陶芸」「環境造形」「ビジュアルデザイン」・・・といった専門的な科目の多い真和志高校に赴任が決まったのが5年前、現在は生徒指導主任もしています。

 授業に関しては「漫画・イラスト」「写真」「美術史」と全然関連のない科目を持ち、教材研究もろくにできないまま、5年間で蓄積した知識と経験を生かしつつ、これまでの人生経験を駆使し何とか授業を成立させています。

 実際には、仕事の80%は生徒指導で、問題行動を起こした生徒を怒鳴り、なだめ、すかし、人生相談をし、懲戒指導の提案と解除を繰り返し、充実した日々を送っています。

 生徒指導が大変な分、授業はとても楽しく、特に「美術史」ではテンション高めで語っています。プロジェクターを使用してプレゼンソフトで授業を進めるのですが、なるべく多くの作品を鑑賞させたくて2年前から教材研究を重ね、ようやく形になってきました。とはいっても、内容は西洋美術史入門みたいな授業で、退屈な授業にならないように、生徒たちが反応するような不思議な響きの言葉(例えば「コントラポスト」「アトリビュート」「トロンプ=ルイユ」「キアロスクーロ」等)やダ・ヴィンチのルーブルとナショナルギャラリーにある2つの「岩窟の聖母」のような逸話について語っています。生徒曰く、授業はわけわからんけど情熱は感じると言われます。

 教師をして、10年近くなりますが、教育が何かは未だによくわかりません。それは芸術にとても似ているように思います。特別支援の生徒、問題行動を起こす生徒、授業の生徒、すべての関わった生徒に自分が正しいと思うこと、美しいと感じることは、なるべく伝えるようにしています。これからも、目の前の相手とのコミュニケーションを繰り返し行うこと、そして、見守ることを大切にしていきたいと思います。

 次は、「この人の頭の中はいったいどうなっているんだろ~??」といつも関心させられる那覇造形美術学院の黄金 忠博 学院長におつなぎします。先輩、よろしくお願いします。

2011年10月6日木曜日

秋のいろ美文庫



紹介している本を紹介する会を来週末に行います。
美術・図工の本を中心に、美術の本、美術館での教育活動の本などがいっぱいです。
保育園から、大学、特別支援学校まで多くの方にお越しいただきたいと思っています。

また、みなさんのおすすめの本、この本は必読だという本がありましたら是非当日御持ち頂き紹介して頂きたいです。
当日来れなければ、メーリスで紹介していただいても構いません、是非紹介して下さい!

では、待ってます!

2011年10月2日日曜日

図工・美術の本紹介2


こんばんわ。小橋川です。今月15(土)16(日)、美術や図工の本をいろいろ見ることの出来るイベントを行います。細かい日程はもう少ししたらお知らせします。
で、慌てていくつか本を紹介してる次第なんです。

今日は、「ベーシック造形技法ー図画工作・美術の基礎的表現と鑑賞ー」 建帛社 2006 監修:宮脇理
です。すごい盛りだくさん、濃い1冊です。
実は、1969年、1984年に前版ともいう本が出ていて、それに続く第3弾になっているということで歴史の厚みを感じます。超古典的な題材から、webやアニメーションまでのっているのがすごい。なんたって、一番最初にのってるのがラスコーの洞窟壁画ですから。七宝まで載っている、教材屋が毎年持ってくる分厚いカタログを超える守備範囲。
タイトルに造形技法とありますが、内容が総論、主題、技法、知識、鑑賞といった項目で描かれていて、いわゆる技法だけ集めた本ではありません。
鑑賞や美術館との連携みたいなタイムリーな内容ものっているのが嬉しい。

小橋川